アドバイス2 社会的行動
子犬があなたの家に到着するときは、母犬や兄弟犬と離されるという初めての体験なのです。それまでは子犬の生活にとって母犬が最も大切な存在でしたが、あなたの家族の一員となった時点で、これから新たな愛情関係と社会的なつながりをつくらなければなりません。
幼い子犬は母犬に抱いていた愛情と信頼を、これから食事と温もりや安らぎを与えてくれる人に対して向けるようになるのです。
多くの場合、はじめは家族の中の一人と特別に強い絆を結ぶようです。その一人をやすらぎの源として尊重し、その安定した信頼関係をもとに、人間関係を知るための第1歩を踏み出せるようになるのです。
子犬と飼い主の強い絆は、当初は大変重要な役割を果たしますが、成長するにしたがって、子犬は自立を学ぶべき時がやってきます。
野生の子犬では、母犬や兄弟県に対する愛着が、群れ全体への愛着に置き換わるのですが、家に迎えた子犬にも同じことが言え、必要となります。絆を緩めることは、子犬にとっても飼い主にとってもはじめのうちは難しいことかもしれませんが、子犬の成長にとって必要不可欠であることを忘れないでください。たとえ結びつきの度合いが弱くなったとしても、愛情の交流が全て途絶えるわけではありません。子犬との素晴らしい関係は、あなたが決めたことが守られる限りいつまでも続きます。
今日から、社会的関わり合いの主導権は子犬ではなく、必ずあなたが握ってください。それを上手に達成することができれば、子犬は好き勝手に社会的関わり合いを持てないことを学習するでしょう。
そうすることによって、将来やってくる「ひとりの時間」に対処できるようになります。社会的な欲求をすべて飼い主に依存したままの子犬は、一人きりにされると問題行動を起こしがちで、いわゆる「分離不安」を起こすようになるかもしれません。分離不安によくみられる症状として、物を壊す、吠える、不適切な排泄をする、などがあります。
もちろんこのような問題行動を後から治療することもできますが、なんといっても最初からしつけておくことがベストです。